世界の最新チョコレート事情

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大倉野泰造さん

JSA認定シニアワインエキスパート、CPA認定チーズプロフェッショナル。田崎真也ワインサロンブラインドテイスティング大会では第1回、第3回優勝。また、アカデミーデュヴァン杯ブラインドテイスティング大会においても第1回、第3回の優勝を飾る。

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世界中のおいしいワインやチーズの愉しみ方を熟知する氏ならではの視点で、バレンタインにおすすめのワインからチョコレートとの楽しみ方、食の最新トレンド、お菓子作りへの提案まで幅広く語っていただきました。

バレンタインに贈るならこんなワイン!

バレンタインのワインといえば、フランス・ボルドーメドック格付け3級「Ch. Calon Ségurカロンセギュール」は外せないだろう。 シャトーカロンセギュールはその昔、セギュール侯爵が所有していたシャトーで、他にも名だたるシャトーを所有していた彼が「我が心カロンにあり」という名言を残したことから、エチケットにハートマークが刻まれているワインだ。 香りにもビターチョコやエスプレッソの要素があり、カカオ含有の高いチョコとのマリアージュもいい。ただし、若いうちはかなり堅いものが多いので、実はこのワインのセカンド「Le Marquis de Calon Ségur ル マルキ ド カロンセギュール」をお勧めしたい。こちらは若いうちから滑らかな味わいのものが多いことに加え、2013年ヴィンテージからエチケットが一新されハートマークに。さらにセカンドワインということでお手頃価格。バレンタインに贈りやすいワインのひとつだろう。ちなみにフランス・ノルマンディー地方に「ヌーシャテル」というハート型の白カビチーズがあり、熟成するとまさにボルドーのようなコクのある赤ワインとの相性抜群だが、カロンセギュールと両方贈るとなると気持ちが強すぎる印象は否めないが・・・。
ワインイメージ

ところで、チョコレートと合わせるなら……

チョコレートに合うお酒は色々あるが、万能なのはロゼシャンパーニュだ。チョコレートのカカオとワインに使われる黒ブドウの共通点はポリフェノール。そこがうまくマッチングして甘口、ビター問わずどのチョコレートにも寄り添ってくれる。さらに泡立ちの優雅さもリュックス感を高めてくれることだろう。アルコールが飲めない方にはアサイーやザクロジュースにノンアルコールビールを割って即席ノンアルコールロゼスパークリングを試してみても面白い。もちろんアルコールが得意な人ならウィスキーやブランデーを、甘口ワインが好きな人は、ポートワインやバニュルス、シェリーペドロヒメネスなどを、ビール好きにはスタウトビールなどがおススメだ。個人的にはお菓子作りでお馴染みのヘーゼルナッツリキュール・フランジェリコと楽しみたい。

話題の「ペアリング」の先にある味覚の共演

「トリプリング」という言葉をご存じだろうか。料理とドリンクのマッチングにこだわるのが「ペアリング」だとしたら、さらにもうひと素材くわえることで、味覚に奥行きを生み出すことだ。たとえばチョコレートなら、ビターチョコ×エスプレッソの組み合わせに、火入れしたオレンジを加え爽やかさを加える。チョコ×紅茶に、カルダモンシードを添えオリエンタルな風味や香りを加えるなど、これら組み合わせ・・・実はメゾンのショコラ1粒に含まれる要素の数々だ。けれど、それを自宅で再現するのは至難の技。そこで、メゾンのショコラに含まれる複数の要素を一旦ばらばらにしてみて、見栄えのする一皿で表現してみてはいかがだろうか。組み合わせは無限大。相手の好みの飲み物や食材を自由に選んで、新しい嗜好を発見したい。
ビターチョコ×エスプレッソ×火入れしたオレンジの組み合わせ

おいしさを決めるのは……

先月、ニューヨークとバンクーバーに行った際、小さなショコラティエを幾つか周った。興味深かったのは、既に世界で人気のあるMACCHA(抹茶)だけでなく、YUZU(柚子)やSHISO(紫蘇)など和食材がスタンダードになってきていることだ。さらに驚いたことにそれらは日本からの輸入食材ではなく、地元のオーガニック農園で作られたものとのこと。聞けば、「身近なものの方が安心できるでしょ?」と。その一言でなんだか妙な安心感。確かに美味しさも大事だが、食べてくれる人をイメージし、素材の吟味も含め、思いを込めて作ることが最も大切で崇高な営みだと感じた。いまお菓子を作ろうとしている皆さん、これから食べる人たちの顔を浮かべて作っていますか!?味が二の次は困るけど・・・。
チョコレート販売店頭のイメージ